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白之宮翡翠さんから頂戴いたしました
「176cmのカナン様」
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『そのうち知らせてみせる、この僕が』
と、云ったものの。
 その日は遠そうだ、と思う。
 その道程は、遠そうだ、と、思う。
 僕が年下だから? こどもだから? 
 ……王子だから?
 ならば、たとえばそう、僕が僕の従者とおなじくらいの背丈にすくすくと伸び、建国の勇者であるルーシャス様のように幻獣を使役できるほどのレベルをもつ冒険者となったらば、
〈カナン・ルーキウス〉個人としての心を、あいつは〈知って〉くれるのだろうか。
 そうだ、理想としては〈おなじ〉より上背があるほうが良い――願わくば、兄上くらいに、と独りごちながら、ちょっと、想像してみる。
『セレスト』
と、いまよりずっと〈男〉の声で、名を呼び、下からではなく上から覗きこんで、笑う。
 みあげた僕の従者の眸にはどんな心が躍っているだろう。
 感嘆、だ。
 即座に思いいたって、僕は苦笑した。
 そうだろう、そうだろうとも。
……僕としては、すこしくらい妬みや嫉みや焦りを憶えてくれているとうれしいのだが……
 きっとあれは、しみじみと僕をみあげた後、
『こんなに立派にご成長なされて……』
と、感きわまった声をあげるに違いない。
 そしてまた、お説教だ。
『ですが、出奔なさるなど――冒険者になるなど、前代未聞の不祥事です。私はリプトン様やリグナム様にどうお詫びしたら良いのか……』
 くどくどくど。
 ふぅ、と僕はかるく息をついて、あたまのなかの未来予想図の幕を閉じた。
「やれやれ。」
 だが、つまるところ。
 僕の心が僕以外の誰にも変えることができないように、僕の従者の心も、彼以外のものが変えることなどできはしないのだ。
 それに僕は。
――どう転んだって、そんな、しようのない、
〈セレスト・アーヴィング〉が好きなのだ――
 だから、希ませよう。
 希んでともに生きてくれること、それこそが僕の、幸福なのだから。

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[ 創り手さんにいろはのお題 ] : 『ヲトメゴコロ』 のその後・カナンサイド(書き下ろし)

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白之宮翡翠さんのサイト【姫宮】(ひめのみや)様で600番を踏みました。
メイン三人を総ざらえしてしまったわたくし、では大人になったカナン様を、とリクエスト。
こちらは、以前『ヲトメゴコロ』に、翡翠さんよりいただいた感想のなかの、
「セレストは、いつカナンゴコロを理解できるのか――
何か、その日がとても遠く感じられるのですが、
カナン様が176cmになる頃(成人する頃)には理解してくれるのでしょうか?」
というおことばより、イメージして描いていただきました。
(タイトルも翡翠さんにつけていただきました)
「冒険者として放浪中なイメージ」で、
「ルーシャス様の幻獣を使役できるレベル希望」だそうです。

上記の文は、今回頂戴したイラストにあわせて書き下ろしたもの。
お愉しみいただければ幸いです。

勝気そうな眸と、相変わらず凶悪(笑)かつさらにレベルアップしている笑顔が
素敵なカナン様のイラストをありがとうございました。

(2005.11.13頂戴・2006.01.23掲載)

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著作権は、画像が白之宮翡翠さん [(c) 姫宮]
文章が菅野扶水 [(c) 幸福論] にあります
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